講演レポート: IVS CTO Night and Day 2017 Winter

講演レポート: IVS CTO Night and Day 2017 Winter

2017年12月の初旬に金沢の地で IVS が開催されました。

IVSとは (http://ivs.strikingly.com/)

Infinity Ventures Summit(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット、以下IVS)は主にインターネット業界のトップレベルの経営者・経営幹部が一堂に集まり、業界の展望や経営について語る、年2回の招待制オフサイト・カンファレンスです。2007年秋の初開催より10年を経て、歴史・規模ともに国大最大級のインターネット業界経営者のコミュニティに成長しました。

この IVS と共催で、 IVS CTO Night & Day というイベントが AWS 支援のもと、毎回開催されています。
こちらも招待制のカンファレンスであり、CTO、CTO相当職及び元CTOを対象としています。 日本を代表する会社の CTO 100名 が集まる光景は圧巻です。

大変光栄なことに、そのイベントの講演者の一人として採択して頂きました。

“バーチャル CTO” 〜ICO でつくるグローバルチームとコミュニティ〜

初めに会場の皆様に ICO を知っている方に挙手して頂いた所、約9割の人の手が上がりました。1年前なら1割も居なかったと思いますので、急激に認知が進んでいる印象を受けました。

なんとなくそのような状況を想定しておりましたので、今回は ICO 自体の解説には余り触れず、 Starbase の組織構成や、 Starbase のトークンを設計するうえで得られたトークンエコノミーに関する知見、 ICO を進める中で直面した事柄など、僕にしか話せないようなことにフォーカスしてお伝えしました。

“バーチャル CTO” というタイトルはいわば気を引くためのもので、 “バーチャル・カンパニー” というのが本当に伝えたかったメイントピックとなります。

少々フェイクが入っておりますが、際どいレベルのことを書いておりますので、是非参考にしていただければと思います。 (^^;

米国の一流のスタートアップ CEO/CTO から学んだこと

パネルディスカッションの様子

テクノロジーの世界最先端の地、シリコンバレーから来日したスタートアップ CEO/CTO によるセッションとパネルディスカッションが本イベントの目玉で、僕としても一番興味深いものでした。

[来日講演者]
Julien Lemoine, CTO and Co-founder of Algolia
Jim Rose, CEO of CircleCI
Edith Harbaugh, CEO of LaunchDarkly

彼らの話を聞いていて感じたのが、日本人のソフトウェア企業は ◯◯ だから世界で闘えないという、色々な言い訳の多くが単なる言い訳に過ぎないのではないかとうことです。

例えば、アメリカの企業は資金力があってマーケティングに多額のお金をつぎ込んでいるから上手く行くなど。
もし、それが本当だとしたら日本で全くマーケティングをしていない CircleCI やら Slack がこんなにも日本で浸透しているのは説明が付きません。

Algolia はフランス発のプロダクトですし、 LaunchDarkly も最初の10社の顧客の中にイスラエルの会社から使いたいという連絡があり、それによってそのプロダクトが世界で通用するものだと感じたそうです。

僕個人の結論としては、 世界の人々が本当に求める良質なプロダクトであり、必要最低限のプロモーションを行っていれば、どこの国で作られたプロダクトだろうが口コミで広まる ものだと考えています。当然、標準言語は英語である必要があります。

シリコンバレーは確かに資金が多く集まる地ですが、反面、日本のエンジニアは技術力で負けておらず、人件費も比較的少なくて済むので、それは他国のIT集積地と比べてアドバンテージになるでしょう。

ただし、一点致命的な統計データとしてアントレプレナーシップを持った人の比率が他のIT集積地と比べて圧倒的に少ないという調査結果があり、そこは大きなディスアドバンテージなのかもしれません。

また、夜のパーティの場でもいくつか為になるアドバイスを頂くことが出来ました。
井の中の蛙になってしまうのは本当にもったいないことですね。

山中の ICO へのスタンス

最後に、私の ICO へのスタンスを書いておきたいと思います。

まず、技術的な部分についてはスマートコントラクト技術を使った ICO は大変素晴らしいものだと考えています。
世界の誰もが、スマホひとつであらゆるプロジェクトに投資できてしまう。ペーパーワークも不要。上場してトークンに流動性をもたせようと思えばいつでも簡単に出来る。

一方、現在は様々な制約が存在します。

  • そもそも ICO が禁止されていたり、事実上出来ない国、販売対象外にすべき国があること
  • トークンを証券と見なされないようにするために、トークンをシステムに組み込む必要があり、場合によっては UX を損なうこと (スライドの P27 のように)
  • 上場までに多大な時間的・金銭的コストがかかること
  • 上場後も IR に気を使ったりリソースを使わなければならないこと
  • ステルスで事業を進められないこと

このような制約が無ければ、単純にベター証券(株式・債券)として使えて、非常に便利で良いのになぁとエンジニア的には考えています。

結論として僕は ICO を支える技術は素晴らしいものと考えていますが、それを取り巻く社会がその可能性の芽を摘むことなく健全な発展を支援して行かなければ、人々がその利便性をフルに享受できることはないでしょう。

それまでは Starbase のようなファーストペンギンが多大な労力とリスクを取り、徐々に未知の領域を開拓して行くしか無いのかもしれません。次の世代の人々からどう見られるかを意識して今後私も頑張っていきたいと思います。


Yu Yamanaka

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