「リーンキャンバス」を使って事業計画書を 30 分で作る方法

(Image from: https://github.com/demi168/Lean-Canvas-prototype-PDF)

「リーンキャンバス」を使って事業計画書を 30 分で作る方法

先日、高田馬場で開催された「リーンキャンバス作成ワークショップ」に参加致しましたので、そこで得た知識と体験についてまとめておこうと思います。

1ページに収まる事業計画書

リーンキャンバスとは、 O’REILLY から出版されている書籍「Running Lean」に掲載されている、ビジネスモデルの企画のためのツールです。
1ページに収まるサイズというのが大きな特徴となっています。

本の著者で、起業家エンジニアの Ash Maurya はリーンキャンバスの特徴についてこう述べています。

1. 高速性

数週間から数ヶ月かかる事業計画書と違い、半日もあれば複数のビジネスモデルの概要が書けてしまいます。

2. 簡潔性

リーンキャンバスを使えば、言葉を選んでうまく要点を伝えられるようになります。これは、製品の本質を抽出する練習にもなります。ランディングページでは、8秒で顧客の注意を引かなければいけません。
(ランディングページの訪問者の50%が、8秒以内に離脱すると言われています)

3. 携帯性

1ページのビジネスモデルであれば共有が簡単です。つまり、より多くの人に読んでもらえるということです。また、頻繁に更新することも可能です。
(リーンキャンバスが書ける Web サービスもあります。 https://canvanizer.com/)

「やってみる」では大失敗する

新規事業を始める際、当初のプランのままで大成功する可能性は多くはありません。多大なリソースと時間をかけて新プロダクトを開発し、いざ市場に出してみたはいいものの、顧客のニーズが想定より全然低かったりすると目もあてられません。

一か八かのプロジェクトにしないためには、顧客の反応を見ながら適切にピボット(軌道修正)を行う必要があります。
それを効率的に行うツールがリーンキャンバスであり、「Running Lean」の様々な手法です。
(このあたりの考え方はアジャイルプロジェクト管理の手法にも通じるところがあります)

リーンキャンバスを作るためにやったこと

さて、そんな便利なリーンキャンバスですが、正直本を読んだだけだとピンと来ない部分があったので、プロの指導を受けるべく前述のセミナーに参加しました。ワークショップでやった具体的な作業を書いていきたいと思います。

1. カスタマージャーニーマップを作り、顧客の行動(ジョブ)を可視化する

リーンキャンバスの出発点は顧客が抱える課題を明らかにすることですが、適当な課題をパッと思いつくのもなかなか大変ですので、その取っ掛かりを得るため、まずは顧客の行動を可視化する作業を行いました。これはカスタマージャーニーマップと呼ぶそうです。

DSC_0060

  • 体重を減らすために、糖質制限をする
  • 遠距離通勤をするために、電車に乗る
  • 一人でご飯を食べる

など、我々の日常の生活の中の行動(ジョブ)をピックアップして付箋に書いていきます。
その後、いくつかのジョブを選んで、そのジョブを行う人がジョブの最中や前後に行っていることを付箋で書いていきます。

2. 顧客の行動(ジョブ)一覧をヒントに、課題を見つける

課題とは何でしょうか?
今回のワークショップの講師は、解決されない「衝突状態」が課題であると定義していました。

  • 例) 痩せたいけど、運動はイヤだ

可視化したジョブのリストを元に、そのような衝突状態を探していきます。
そして、その課題が解決されていないのは何故かを、その人の気持ちになって考えてみます。

例えば、僕のチームでは「一人でご飯を食べる」人のジョブを洗い出しました。

  • 一人で食べるのは寂しいけど、自分の食べたいものを食べたい
  • 誰かをランチに誘いたいが、断られたらイヤ

3. リーンキャンバスを書き始める

ここまで来たら、リーンキャンバスのフローに沿ってキャンバスを埋めていけば良いので簡単です。
以下に埋めるべき項目と順番について記載します。

  1. 課題 (なぜお客様は喜んでくれる?)
    • 既存の代替品
  2. 顧客セグメント (誰に喜んで欲しい?)
    • アーリーアダプター
  3. 独自の価値提案 (なぜお客様は我々から買いたくなる?)
    • わかりやすいコンセプト
  4. ソリューション (具体的に何を提供する?)
  5. チャネル (どうやってコミュニケーションする?)
  6. 収入の流れ (結果として我々には何がもたらされる?)
  7. コスト構造 (コストはどれぐらいかかる?)
  8. 主要指標 (喜んだことをどうやって知る?)
  9. 圧倒的な優位性

ご覧のとおり、具体的なプロダクトに相当する “ソリューション” は4番目です。

“顧客はあなたのソリューションに興味は無い。興味があるのは、顧客自身の課題だ。”

とは 500 Startups 社のデイブ・マクルーアの言葉ですが、本質をよく捉えていると思います。
(エンジニアはしばしばソリューション自体に惹かれてしまうものですが。。。)

参考までに今回のワークショップでの僕のチームのソリューションとしては下記のアイデアがでました。

  • 近くにいる、ランチが食べたい人同士をマッチングする
  • 逆に全国の人と、スマホでビデオチャットしながらランチをともにするサービスを提供(!)

リーンキャンバスは本当に30分で作れるのか?

このワークショップで得たノウハウを元に、早速知り合いの起業家にリーンキャンバスの書き方をレクチャーしたところ、本当に30分で書けてしまいました。
製品コンセプト、アーリーアダプター、損益分岐点など色々な気づきが得られたようです。

今回のワークショップには、上場企業の社員やエンジニアが来ていたことから考えても、
リーンスタートアップや決して起業家のためだけのものではなく、自身のプロダクトを開発する企業にとって大変便利な企画ツールになり得ると考えています。

貴社で新規事業やプロダクトの企画をする際に是非「リーンキャンバス」の利用を検討して見てください。
(書籍の購入もおすすめします)

Full-stack engineer, Yu Yamanaka


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