元 AWS エバンジェリストが予測する、サーバーレスインフラの到来

元 AWS エバンジェリストが予測する、サーバーレスインフラの到来

元 AWS エバンジェリスト堀内さんのメッセージから受けた衝撃

先日、産業技術大学院大学で開催された July Tech Festa 2015 というカンファレンスに参加して参りました。主にインフラテクノロジーに焦点をあてた Tech 系カンファレンスであり、特定の企業が主体となっていないもののなかでは日本で最大級のイベントです。

基調講演は元 AWS エバンジェリストで、現在はマネーフォワードなどの急成長中の複数のベンチャー企業の技術顧問として活動している、 堀内康弘 さんの講演でした。

近頃の技術革新に関する、大変興味深い講演内容だったのですが、個人的に下記のスライドにもっとも衝撃を受けました。

API Gateway, Lambda, DynamoDB は AWS の機能で、特に API Gateway は最近リリースされたばかりのものです。
こちらはモバイルアプリケーションをイメージした画像ですが、この中にはサーバーは一切登場しません。

なぜサーバを用意しなくとも自社サービスを運用できるのか

これまでは、 Web サービスや、高度なモバイルアプリケーションを提供するためには、以下の4つのプロセスが必要でした。

  1. プログラマーがプログラムを書いてアプリケーションを作る (Dev
  2. サーバ環境を構築する (Ops
  3. 書いたプログラムをサーバ上に配置する(=デプロイ) (Ops
  4. サービスが落ちたり、応答が遅くなったりしないよう、監視や負荷分散など設計して運用する (Ops

Dev と書いたのが通常のプログラマーの領域で、 Ops と書いたのが通常インフラエンジニアが担当する領域です。(スタートアップ企業の場合は、兼任のエンジニアが作業することも多い)

さて、先の何がすごいかというと、 AWS の先の3つの機能を使うと 2. のサーバ環境構築作業と、 4. の運用作業が不要になるのです。 AWS がその部分をまるっとやってくれます。また、 3. のデプロイ作業も非常に簡単になるので、プログラマー自身で出きるようになります。

変化はゆっくりと、しかし着実に一般化するサーバレス化

基調講演の質問タイムで、私の方から以下の質問を堀内さんにさせて頂きいたところ、
この様な回答が得られました。

山中「今までも、サーバレスをコンセプトにしたサービス(GoogleAppsEngine や Heroku 等)は
有ったと思いますが、現時点ではそこまで流行っていないように思います。 AWS のこれらの機能には、サーバレス化を促進するようなパワーを秘めているとお考えでしょうか?」

堀内さん「API Gateway や Lambda は、それ単体で完成したサービスというよりかは、 AWS の既存のサービスと連携出来るのが大きなメリットだと思います。従来のサービス開発の手法をガラッと変えることは簡単では無いと思うので、ゆっくりとした移行になると思いますが、“水は低きに流れ、人は易きに流れる”と言いますので、着実にサーバレスの構成が一般化する未来が来ると思っています」

これからのIT企業は、どのようなアクションをすべきか

堀内さんの回答は、個人的にも大変納得がいくものでした。僕もインフラ運用に携わっているので分かりますが、運用というものはビジネスの成長に大して直接貢献するものではないので、しなくていいのならそれに越したことは有りません。その分のパワーを企業が本当にすべき価値創造に回すことが出来ます。

とはいえサーバレス化のためには多くの常識を捨てて新しいやり方を学ばなければなりませんし、リスクもありますので、既存のサービスをすぐに移行するようなタイミングではないと考えられます。

しかしながら、ビジネスで優位に立つためには、世の中が完全に移行してからでは遅いというのも事実ですので、それほどクリティカルでない小規模な機能などに採用するなどして、社内にノウハウを貯めておけば、将来移行しやすくなると考えられます。ので、御社の開発チームで一度検討してみることをお勧めします。

DevOps Consultant, 山中


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